スキャニングについて

 当サークルでも最近急速に普及してきたのが「EPSON GT−7000U」。
SCSIタイプのものとは異なり、電源の自由なオン・オフ、ケーブル取り回しの自由度もさることながら、充実した性能が魅力である。

 ここではスキャニングの基礎知識とともに、用途に合わせた設定について考える。

■ スキャニング

 まずはフォトレタッチソフトを用意する。
有名なのはAdobe Photoshopなどだが、この段階では何でも良かろう。
添付のPresto!Photo ScanではなぜかJPEG形式に変換してしまい、色調が崩れる点に注意。

 まず全体のプレスキャンを行い、大まかに取り込みの対象を指定する。
そして拡大プレスキャンを行い、厳密なサイズ指定を行う。

 次にサイズの選択である。
用途を問わず、取り込みは最高画質の600dpiを指定し、拡大縮小のパーセンテージを変更することでサイズ調整を行うのが良かろう。
X'press用としてはB5版原稿が32MB程度になるよう選択。
WEB版で、写真館向けのものは短辺が480ピクセル以上の最も近い数値(長辺は640ピクセル以上になるはず)、X'pressの挿絵向けのものは長辺が320ピクセルに、掲示板「Multi Talk Private(通称:まるちん)」は原則80×80ピクセルになるように指定。
このとき、スキャンするエリアがいつの間にかずれていた!ということが少なくない。
再度確認しておこう。

 写真の微調整を行う。
調整のボタンを押し、5つあるもののうち下から2番目(一番下はモノクロ画像専用の設定)の項目で写真中最も暗い箇所(影などでつぶれている場所)を、下から3番目の項目で最も明るい箇所(白に近い場所)を選択する。
これはスポイトボタンを押して写真中のその箇所を選択するのが一番正確かつ簡便である。
上から1番目の箇所で全体の明るさを、2番目で中間色の色調を決定。
中間色の色調決定とは最もきれいに写真の各部分が映るように変更することで、これを行いつつハイライトを選択するのが間違いなかろう。

 以上の設定が終わったらスキャン。
読み込みが終わったら、一旦BMP形式で保存しておくのが良かろう。

■ データ形式

 データ形式はBMP、GIF、JPEGの三種類がある。
それらを順を追って説明していく。

  • BMP…BMPは万能であるが、その反面肝心なインターネット上に掲載できない上に容量が大きい。
    容量の大きさはデータが表示される時間と正比例し、見る側への精神・時間・費用的な負担を加える点に注意しておこう。
  • GIF…GIF形式はフルカラー1,677万色に対して256色しか表現できない。
    大きさも必ずしも小さくなるとは限らない。
    その反面、透明GIFといってGIFの背景を透過させ、オブジェクトと背景を融合させることができる。
    背景の透過は特定の一色しか選択できない。
    そのため、あらかじめフォトレタッチソフトで対象物以外の領域を、対象物中に含まれない色を使って塗りつぶしておく必要がある。
    掲示板「まるちん」用アイコンデータはこのGIF形式しか選択できない。
  • JPEG…JPEG形式は圧縮が可能という点が他と大きく異なる。
    ただ、この圧縮の原理が、たとえば2×2ピクセルの領域中で4色の色を用いていたとすると、新たにこの領域を4色の平均値である一色で塗りつぶしたものに変えることで、圧縮率を上げるほどに写真の美しさは損なわれる。
    また、この圧縮は不可逆である点にも要注意。

 ここではBMPをローカル(自分のパソコン内)に残しておくデータ、GIFはイラストや文字、JPEGは写真を保存する形式だと考えておこう。
用途に合わない保存形式はサイズを大きくし、見た目も悪い。

 ここで減色ツールを紹介しよう。
padie(http://www.vector.co.jp/authors/VA013060/software/)というこのソフトを使うと、GIFへの変換がスムーズに、美しく行える。
なお、このソフトで利用できるファイルの形式はSusieプラグインにより拡張できるので、ここに上げた基本的な形式のプラグインは是非手に入れておこう。
(逆を返せば、このままでは役立たずのソフトだ。)

 以上。


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