● ヘッドマークの作り方
  

 今回この20周年企画で絶対必要不可欠であるもの、それは特別記念列車を表すためのヘッドマークである。そういうわけで、金沢大の最中最名次郎氏が生み出したX'pressキャラクターバージョンと、工大の小柳曽谷乃助氏の生み出した次期X'pressキャラクターバージョンの二つのヘッドマークが製作されることが決まった。

 今回、このヘッドマークを作るにあたり、一番大切なのはその土台部分である。マークはいつでも描けるし、作り直しも容易である。なぜならA0プリンターで印刷したものだからだ。しかし土台部分はそうはいかない。ヘッドマーク、つまり一番先頭につけるものである。そのため風圧を一番受ける部分であるため、ただ単に掛かっていればいいというものではない。そのため鉄道愛好会工作班(?)は必死にない頭を絞った。今回これらを製作するには、金沢大学の方では設備が全くと言っていいほどない。そのためこれらを製作するには工作が専門分野といっても過言ではない工大に回ってくるのは至極当然のことである。工大は私立大学特有の金に物を言わせ、夢工房なるものを作り、その中には大体の工作機械がそろっている。当然木工用の大型機械もある。そこで僕ことバチルス1号と、ヂョーとで二つのヘッドマークを作ることになった。

 のと鉄道のほうから、ヘッドマークに関するサイズが来ていたので、ホームセンターでいろいろ検討しながら材料を購入することにした。

用意する材料(二つ分)

資材 サイズ(mm) 個数 金額
ベニヤ板 910×3×910(mm) 2 \1,360
角材 910×25×40(mm) 2 \940
アングル用フラットバー 28×2×300(mm) 4 \480
コーナープレート A-2 30型用 4 \720
トラスタッピング 4mm×20個 1袋 \180
ボルト、ナット 6mm×10個 1袋 \230
塩化ビニールシート 1800×0.05×1000 1 \160
スプレーのり 1 \590
マーク φ600 2 \2,400

作り方(単位はすべてmm)

  1. ベニヤ板にけがき、針つきノギスでφ600の円をけがく。
  2. パネルソーでいらない部分を大まかに切る。
  3. 糸鋸ボール盤で慎重に切る。
  4. 2.で余った材料を250×400に切る。
  5. 角材を長さ400に切りそろえる。
  6. 5.で切りそろえた材料の端から100ミリのところにコーナープレートをトラスタッピングでとめる。これをもう片方に施す。この材料が上方向を決めるものである。
  7. 3.6.でできたものを木工用ボンドで接着する。このとき、ベニヤの木目と角材を図のようになるようにする。こうすることによって強度が増す。
  8. 4.で作った材料が5.で作った材料と7.で接着した角材の間に入るように木工用ボンドで接着する。このときも4.の材料とベニヤとの木目が交差するようにする。
  9. 完全に接着したのを確認した後に表から、20ミリのくぎを等間隔に5本打ち、ベニヤと上の角材が絶対取れないようにする。
  10. コーナープレートとアングル用フラットバーとをボルトで接続する。
  11. 5.での工程のとき100ミリほどのあまりができる。これを利用し、コーナープレートとあまった角材を接続し、強度を増やし、また取っ手とする。
    ここまでで二つあわせて2時間ほどかかった
  12. A0用プリンターでプリントアウトしたマークの裏面と、ヘッドマークにスプレーのりを塗る。このとき換気を良くしてやらないとどえらいことになるので注意すること。まっすぐになるように、また、しわにならないように慎重に貼る。
  13. 塩化ビニールシートをしわが入らないように貼る。このときのり付けは必要なく、裏でガムテープまたは両面テープで止める。このシートは弾力に富むので、ある程度引っ張っても大丈夫である

 これで完成だ!!!

 あとは持ち歩いても恥ずかしくないように新聞紙などでマークを隠せばバッチリだ。

 今回のヘッドマークを製作するのに要した金額は消費税込みで5,294円であった。思ったよりも安く仕上がった。次回からはスプレーのりとプリントアウトの料金だけでできるようになる。

 さて、ヘッドマークの裏に製作者の名前でも入れとくか。

  (編者:注)
 のと鉄道からのサイズ指定とは、次のとおりです。
 ちなみに、のと鉄道制作ではないヘッドマークが列車の前面を飾ったことは、それまで一度も無かったそうです。
  
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「X'press 20th Special Edition」より
執筆者:バチルス1号
最終更新日:1999年12月24日